「地元の人しか知らない。」というたった一文で人は、いとも簡単に心を惹かれてしまう。あなたもそんなお店をご存知なら是非教えていただきたい。
さて、私が今日向かっている店は、川床で有名な貴船。といった誰でも知っているような場所ではなく、貴船方面に向かう道中にある二軒茶屋という場所にある。
叡山電車に揺られ、二軒茶屋駅の階段を降りて坂を上ると、お馴染みのコンビニエンスストアが目に入る。まあ忙しい人なら迷わずここに入り、お昼時の空っぽの腹にコンビニ弁当をかっ込むはずだ。
しかし、時間のある私は違う。その向かいにあるカフェで定食を頂くのだ。
温かみのあるモダンな外観。
ドアの前には日替わり定食が書かれた手書き看板。
ここが私の行き付け ”ほっとカフェkanon ~花音~”
カフェという名前だが、定食がかなり充実しているため、お昼ご飯にはぴったりだ。
看板で日替わり定食のメニューを確認して店に入る。開くドアの音に気がついた店員さんたちが飛び切りの笑顔で出迎えてくれるので、この時点で私の心は満たされ笑み溢れる。
席に着くと迷わず750円のチキンカツを注文。本日の日替わり定食だ。懐かしい00年代初期のヒットソングが掛かる店内で少しこそばゆくなりながらしばらく待つと、体に優しい家庭料理のようなチキンカツ定食が運ばれてきて私はまた笑み溢れる。
笑顔のままお箸を手にし、「いただきます。」と小声で唱えると、私はチキンカツにかぶり付いた。"帰るべき場所"を思い出させるような家庭の味だ。私は実家に帰ったような気分だった。チキンカツが我が家の食卓に並んだ記憶はなかったが、確かに実家に帰ったような気分だった。
そんな事を考えていると、白いご飯はあっという間になくなってしまった。
でもご安心を、
なんと、ほっとカフェkanonは "白ご飯のおかわりが自由" なのだ。
当然おかわりをした私は、熱々の白いご飯をまたチキンカツと共に平らげる。
全ての料理を食べ終え、750円以上の満足度に気付けば感動の溜め息をついていた。
「いつもありがとうございます。」店員さんのその嬉しい言葉に対して私は、澄ました顔で「ごちそうさまでした。」という言葉と会釈をしながら店を出た。
ドアが閉まったのを確認してから一人またまた笑み溢れた。
文 深尾
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