巨人・大鵬・錦糸卵

 お昼は丹後にいた。

 何も予定のない週末、天気が良かったので天橋立まで行ってきた。下手すると三重より遠い丹後地方、よほどの決心をしなければ行こうとは思わないけど、手元にあった明後日期限切れの青春18きっぷが背中を押してくれた。

 福知山で丹後鉄道というローカル線に乗りかえ、宮津で一度下車して駅前の富田屋で昼食。刺身定食はピカイチで、店員さんの愛想ゼロな対応も良いと感じるそんな店だった。

 その後天橋立まで行き、レンタサイクルで橋立の対岸に行ったりケーブルカーで展望台まで上がったりするともう5時だ。コンビニが臨時休業しているような(ヤマザキYショップならば仕方ない)天橋立、夕食の見込みもない。かと言って富田屋にもう一度寄るのも芸がない。ならばいっそ、夕食は京都で食べることにしよう。山陰線は京都につく前に二条を通る。二条には、だいぶ前に一度行って美味しかった記憶のある「大鵬」があるので、そこへ行くことにした。

 二条で降りて、パチンコ屋の駐車場をくぐり抜けると児童公園に面した裏路地に出る。そこに「大鵬」はある。土曜の夜の割に列は少なかったので、直ぐに入店することができた。着席後直ぐに「てりどんきんし(850円)」を注文。ご飯の上に錦糸卵、その上に照り焼きの鶏肉が乗っており、栄養満点のどんぶりだ。おまけにてりどんきんし、声に出すとリズミカルな響きでとても良い。

 15分ほど待つと暖かな湯気をまとった丼が運ばれて来た。適度に包丁が入れられてほぐれた鶏肉はすこし濃いめの甘辛い味付けで、白飯に程よくからみとても美味しい。少し油っぽいうつわを何回かすべり落としそうになるが、食欲のままにかきこんだ。

大鵬
〒604-8416 京都府京都市中京区西ノ京星池町149
JR・京都市営地下鉄東西線二条駅徒歩2分
営業時間:11:30~14:30 / 17:30~22:00
定休日:火・水

文:放蕩息子

ANTHOLOGY KYOTO

京都の各所で様々なライター達が体験した体験記です。 これから京都を好きになる人、楽しもうと思っている人にとって、 この体験記が少しでも役立てればと思っています。

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